過去帳は先往かれた方の「法名」などを記した折本(おれほん)様のものです。
いつ、どなたが亡くなられたかを示すものであると同時に、自分が生まれたのはこうした先人がいらっしゃったからこそであると見つめていくためのものでもあります。私が生まれてくるためには、ご先祖さまのうち、たった一人でも欠けていればこの私は生まれ得ることはなかった、夫や妻と、子や孫とも出会うことはなかった、そのことを教えられるのが過去帳です。
他宗派では位牌(いはい)を用いますが、浄土真宗では過去帳を用います。お仏壇の過去帳台(見台)の上に置きましょう。
過去帳の上段を見てください。
上段に日付が書いてある過去帳は、日めくりです。
日めくりカレンダーのように、毎朝、今日の日付を開いて、阿弥陀様に手を合わせましょう。
その中で、「あぁ、今日はあの人の命日なんだ」と思い出させてくれるのが過去帳です。
上段に日付が書かれてない過去帳は、お参りする時に開いて、お参りが終われば閉じておくのがよろしいかと思います。
注意点
- 過去帳は和紙でできているため、同じところを開きっぱなしで安置しておくと、そのページだけ黄変しますのでご注意下さい。
- ろうそくの火や、お花(花粉や水)に触れないようにしましょう。
- お花の水を替える時や、お仏壇の掃除をする時などは汚れないように気をつけてください。一旦、お仏壇から外に出して、それからお掃除しましょう。
- 過去帳は、可能であればお仏壇の中央(中心)から少し外して安置しましょう。私たちが手を合わせる対象は阿弥陀如来さまです。過去帳や位牌は、いわば「記録」です。過去帳や位牌に向かって手を合わせるのではありませんので、お仏壇の中央(中心)に置いたり、ご本尊を隠すようには置かないようにしましょう。
いずれにしても過去帳は大切なものです。
お寺に持ち出す際などは、袱紗(ふくさ)に包むなどして丁寧に扱いましょう。
※地域によって取り扱いが違うこともあります。