お念珠

お念珠は、仏事における礼拝(らいはい)のための法具(ほうぐ)です。

念仏をする時に用いるので、浄土真宗では「念珠(ねんじゅ)」といいます。「数珠(じゅず)」とはいいません。 

お念珠は必携です

蓮如上人は「お念珠を持たずにお参りすることは、仏さまを素手でわしづかみにしているようなものだ」と教えて下さっております。

 

お念珠は必ず持ちましょう。

仏事における「最低限の」マナーです。

小さいお子さんも含め、ご家族皆さん用意します。

できれば共用ではなく「自分のもの」を用意しましょう。

 

いい歳をした大人が、お念珠(数珠)も持たずに法事や葬儀にお参りしているのを見かけることがあります。お念珠すら持たないのは恥ずかしいことです。

葬儀会館などに置いてある「貸し出しの念珠」は、「急にお参りすることになった人」などのための救済措置です。本来は借りるものではありません。

 

お念珠を誰か一人がたくさん持ってきて家族や親戚に配って貸しているのを見かけることがありますが、お念珠は自分で管理し、ご自分で持ってくるようにしましょう。

 

 

仏事の席で恥ずかしくないようにも、お念珠はきちんと持参しましょう。

法事やお通夜、葬儀だけでなく、日頃お仏壇に向かう時、お墓参り、お寺の行事の時にも持参しましょう。


お念珠の種類

お念珠は、宗派によっていくつかの種類があります。

 

浄土真宗本願寺派では、

単念珠」という一連のお念珠を用います。

  • 男性は「紐房(ひもふさ)」
  • 女性は、頭無しの「松房」 

とよばれるものが本派では一般的なものになります。

(女性向けのお念珠の房は、他に枝垂房や切房、新松房とよぶこともあります)

紐房(ひもふさ)
紐房(ひもふさ)
松房(まつふさ)
松房(まつふさ)

これからお念珠をご用意される場合は、上記の種類のお念珠を選ぶようにしましょう。

※すでに何かしらのお念珠(お数珠)をお持ちの場合は、無理に買い改める必要はありません。

 

四国は真言宗のお寺が非常に多いため、このあたりの仏壇店などに行くと、「玉房」とよばれるものが非常に多いため、間違えないようにご注意下さい。 


お念珠の扱い方

  • お念珠は大切な法具です。丁寧に扱いましょう。
  • 保管や持ち運ぶときには、お念珠袋や袱紗(ふくさ)などに入れましょう。
  • 仏事の最中は、常に左手に持っておきます。(置き去りにしません)
  • 床や畳の上には置いてはいけません。イスの上、座布団の上も人が座る場所です。人が歩いたり座ったりするところに置いてはいけません。
  • やむを得ず、お念珠を置く必要がある場合は、お盆やカバンなどを下に敷きましょう。できれば、カバンや念珠袋の中にしまうか、テーブルの上など、人に踏またり汚されたりする心配の無いところに避けるのが良いでしょう。
  • お手洗いに立つ時は、お念珠は一旦しまいましょう。
念珠袋の画像
お念珠は「念珠袋」に入れて携帯しましょう
「お経本入れ」は小物も入るので便利です
「お経本入れ」は小物も入るので便利です


紐が切れてしまう前に…

「お念珠(数珠)が切れたら不吉なこと、不幸なことが起こる」

と言う人がいらっしゃいますが単なる迷信、考えすぎです。

 

紐は、使っていくうちにいつかは必ず切れます。

切れてしまう前に、紐のつなぎ替えをしましょう。

もともとは珠と珠にすき間なく作られています。使っていくうちに紐は伸びてきますが、すき間が極端に大きく開いてきたら切れる可能性が高いです。


きちんとしたお念珠をそろえましょう

百円ショップなどにあるようなものではなく、きちんとしたお念珠を各自でそろえましょう。

高価なものを無理に買う必要はありませんが、きちんとしたものを「一生もの」として大事にしましょう。

 

親のお念珠を引き継ぐことも結構なことです。親の思いとともにお念珠を引き継ぎ、仏の心が伝わっていくものとなるかもしれません。

 

 

ご本山(京都)に行かれることがあれば、西本願寺の前の「門前町」にたくさんのお念珠屋さんがありますので、是非そちらにも足を運んでみてください。